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香港のギャラリー Contemporary by Angela Li でのグループ展
“Haven`t You Heard? - Artists of the 80`s Contemporary Arts Group Exhibition”
のため、香港に行ってきました。
香港でのことの振り返り。
今回は80年代生まれのアジアのアーティスト10名によるグループ展でした。
アジアのいろんな国で「80年代生まれ」というのがフィーチャーされているらしく、社会問題になっているそう。
香港では暴動まで起こっているとか。。
なぜかというと、日本の若者と同じで、将来に対しての大きな目標がないとかそんなこんなで
(多分ざっくりそんな感じ。私が聞いたところによると。)あまり好ましく思われていない、という。
それで現在、社会的にヒートアップしているみたいです。
そういった背景があり、このような企画の展示だったのですが、
今回、雑誌や新聞やTVなど、かなり多くのメディアに取り上げてもらい、
メディアインタビューもいくつかありました。
その中で、日本について聞かれることが多く、どのように話したらよいか戸惑いました。
ー日本のマーケットについて。
ー日本はアーティストにとって生きやすいか。
ー日本の80年代生まれについて。
ー創作する時に、世界を意識しているか。 など。
このような質問を投げられた時に、まず感じたのは、海外に出て私が日本の状況を言うことに対する嫌悪感。
それは、決して日本の現状はよいとは言えなかったからです。(私がそんなに比較対象を持っていないとしても)
また、「日本」という国や「世界」を意識して制作しているかと聞かれたら、それも疑問で
私はもっと個人レベルでの感覚に基づいて制作しているなあ、と。
ただ、私は日本人で日本で生活しているので、無自覚でも国としての背景の上に成り立っていることは確かですが。
そんなこんなで、「日本人アーティストとして世界に何を発信していくのか。」と考えはじめ、
帰国後数日、こねこねしていました。
思ったのは、日本の状況は現在決してよいと言えるものではないと思うけれど、
だからといって「悪い」のか。それで片付けるのかと言ったらそうではなくて、
現在の日本の抱える問題というのは、きっと国が発展し飽和した時には
どこでも問題になってくるということ。
だからこそ私たちに言えることがあると思うし、その中から、人間についてもっと深く考えられるのではないか、と。
また、最近の日本の作品には幼稚性があるとか、内向的だとかよく言われていますが、
私もそれは自分自身の中にも実感していて、でも、それが悪いとも言い切れないとも思っています。
まだ答えを出してしまうのは危険なので、これからも考えていきたいし
なによりこのような視点を持つことができたことが、今回展示して良かったことだと思います。
感覚を言語化し作品を台無しにしてしまうことへの嫌悪感と、文章化し感覚を意識化したい欲求。
人間の感情の普遍性を追求したいという想いと、現代社会における問題を探りたいという想い。
自身のバックグラウンドからコンセプトを導き出したいし、コンセプトなど考えず無意識に、感覚的にただ創りたい。
そんなこんなでぐるんぐるんですが、とにかく作品を創ります。
創って創って創ります。
そして、最後に思ったのは、
色んな問題があるけれど、国による違いとか、世代による違いとか、
それらを否定的に捉えるのではなく、その違いや問題をどう生かすか、どうおもしろくするか、が重要だと。
自分の中で矢印の方向さえ間違わなければ、世界はきっと変わってくると信じています。
すべての物事、すべての問題に対して。