全部あげる

 

これまでのことについて書いてみる。

 

私は大学生だった19歳の時に結婚して、大学院生だった24歳の時に離婚した。

今年１２歳になる娘がいる。

 

ずっと海外に出たいという憧れを持っていたけど、そんなもろもろでなかなかできずにいた。

大学卒業後は中学校・高校で非常勤講師として働きながら、制作を続けて、上海や香港、スイスなどで

発表をしてきた。

その中で展示期間だけの短期的な滞在ではなく、もっと長期的に滞在したいと願うようになり、

自分を試してみようという思いで、娘とふたりで今年の4月から上海にきた。

 

まだまだ上海での生活も、やっと慣れてきたところ。

文化の違いについて考えさせられたり、とても刺激的。

特に、お金に対しての意識の違いには色々考えさせられる。

「大切なのはお金じゃない」って私は言ってしまうけれど、

それは日本で生まれて育ち、お金に本当に困ったことがないからかもしれない。

日本にいれば激貧の私も、世界的にみればもっと貧しい人たちがたくさんいる。

好きなことをやれているのは、本当に贅沢なことかもしれないと感じた。

 

お金、経済、消費社会、資本主義、、、　そこら辺のところがずっと最近気になっている。

ひきつづき掘り下げてみようと思う。

もっと新しい価値を創造できないかなあ、と考える。

 

昨年の大震災をきっかけに、自分自身一番変わったのは、動物的な母性が目覚めたということ。

母性や寛容さ、許すということ、、これらの感覚がとても今気になっている。

 

これまでは、都市で暮らす人に共通の意識である、閉塞感や、孤独、不安感を描きながらも

その背景に潜む希望や意志を表現したいと考えてきた。

しかし最近は、人間の持つ強さをもっと別の角度から表現していきたいと思うようになった。

弱さも含めた強さや、しなやかな強さを。

 

 

全部あげる　“I give you all of me”   　acrylic on canvas   100×100㎝　2012